銀行融資との使い分け術!資金調達の最適な組み合わせ方法

こんにちは、埼玉県川口市で建設会社を経営している山田誠です。

先日、同業の仲間から「銀行さんとファクタリング、どう使い分けてる?」って聞かれたんです。
今でこそ使い分けなんて言ってますが、正直に言うと、私も6年前は銀行融資一本で、季節の変わり目にはいつも資金繰りでヒヤヒヤしていました。
あの時のことを思い出すと、今でも胃が痛くなりますね。

今日は、そんな私がたくさんの失敗と経験から学んだ、銀行融資とファクタリングの「いいとこ取り」をするための具体的な使い分け術をお話しします。
同じように悩んでいる経営者の皆さんの参考になれば幸いです。

私も昔はそうでした…銀行融資一本槍で招いた資金繰り危機

建設業特有の「入金待ち地獄」

建設業は、材料費や人件費が先に出ていくのに、入金は数ヶ月後なんてことがザラです。
私も昔は、年末や梅雨の時期になると「次の入金まで持つか…?」と、通帳とにらめっこする毎日でした。

従業員12名の給料日を前に、眠れない夜を過ごしたことも一度や二度じゃありません。
売上は立っているのに、手元にお金がない。
いわゆる「黒字倒産」のリスクと常に隣り合わせだったんです。

「あと1週間早ければ…」銀行融資のスピードの壁

銀行融資は金利も低くてありがたい存在ですが、いかんせん時間がかかる。
急な大型案件で「すぐにでも資金が必要だ!」という時に、審査で1ヶ月待ちは正直厳しいですよね。

私も「この案件を逃したら会社の成長が止まる…」と分かっていながら、資金調達が間に合わず、涙をのんだ経験があります。
お気持ちはよく分かります。
本当に悔しいんですよね。

【経営者の本音】銀行融資とファクタリング、それぞれの得意・不得意

資金繰りで何度も痛い目にあって、私がたどり着いた結論は「どっちか一つ」ではなく「両方のいいとこ取りをする」ということでした。

長距離ランナーとしての「銀行融資」

私の経験上、銀行さんは長期的なパートナーです。
設備投資や会社の規模を大きくしていくような、計画的で大きな資金調達に向いています。

金利が低いのは最大の魅力ですね。
会社の信用をコツコツ積み上げていく、まさに長距離走のような付き合い方だと思っています。

短距離スプリンターとしての「ファクタリング」

一方、ファクタリングはスピードが命。
「来週までにどうしても!」という緊急事態の頼れるスプリンターです。

手数料は銀行より高いですが、そのスピードのおかげで救われた場面は数え切れません。
あくまで「つなぎ」や「緊急時」の切り札として捉えるのがポイントです。

山田誠流!使い分けの判断基準を一覧表で解説

言葉だけだと分かりにくいので、私の頭の中を整理するとこんな感じです。

項目銀行融資(長距離ランナー)ファクタリング(短距離スプリンター)
得意な場面設備投資、事業拡大急な資金需要、つなぎ資金
スピード遅い(数週間〜1ヶ月以上)速い(最短即日)
コスト低い(年利1〜3%程度)高い(手数料)
審査のポイント会社の信用力・財務状況売掛先の信用力
私からのひと言会社の「」を育てる資金会社の「血流」を良くする資金

【私の実践術】山田建設の資金調達ポートフォリオを大公開!

じゃあ具体的にどう使い分けてるんだ、って話ですよね。
恥ずかしいですが、うちの会社のやり方をこっそりお教えします。

① 会社の「幹」を育てる銀行融資

会社の基盤となる運転資金や、新しい重機を買うといった設備投資は、基本的に銀行融資を活用しています。
これは会社の信用を育てる意味でも重要です。

事前に事業計画書をしっかり作り込み、銀行の担当者さんとは定期的に情報交換して、良好な関係を築くことを心がけています。
地道ですけど、これが一番大事なことかもしれません。

② 会社の「血流」を良くするファクタリング

ファクタリングは、いわば会社の血流を良くするための輸血のようなもの。
具体的には、以下の3パターンで活用しています。

  1. パターン1:大型案件の初期費用
    材料費や人件費の支払いが先行する大型案件の初期段階で、売掛債権の一部を現金化します。
    これで、資金ショートの不安なく、目の前の仕事に集中できます。
  2. パターン2:季節変動への備え
    工事が少なくなる時期の運転資金確保のために、計画的に利用します。
    以前はヒヤヒヤしていた時期も、今では余裕を持って乗り切れるようになりました。
  3. パターン3:予期せぬ出費
    急な機材の故障など、緊急時の資金需要に対応します。
    銀行の審査を待てない、まさに「今すぐ!」という時に本当に助かります。

③ 銀行とファクタリングの「黄金比率」

私の感覚ですが、平常時の資金調達は「銀行融資8:ファクタリング2」くらいのバランスを意識しています。
ファクタリングはあくまで補助的な役割です。

このバランスを崩してファクタリングに頼りすぎると、手数料負担で経営が圧迫されるので、そこだけは気をつけてください。

失敗から学んだ!資金調達の組み合わせで絶対にやってはいけないこと

今だから言えることですが、私もたくさんの失敗をしてきました。
皆さんには同じ轍を踏んでほしくないので、正直にお話しします。

悪質業者との遭遇…手数料地獄の始まり

恥ずかしい話ですが、私も過去に悪質なファクタリング業者に引っかかりかけたことがあります。
「手数料10%」という言葉に惹かれて契約寸前まで行きましたが、契約書をよく見たら小さな文字で追加費用がたくさん…。
結局、手数料は20%近くになりました。

口約束を鵜呑みにせず、契約書は隅々まで確認してください。
これは本当に、声を大にして言いたいです。

場当たり的なファクタリング利用の危険性

「足りなくなったらファクタリング」という場当たり的な使い方を続けると、手数料がかさんで利益を圧迫し、自転車操業に陥る危険があります。
ファクタリングはあくまで計画的に、「ここぞ」という場面で使うべきです。

私も最初は失敗しましたが、今は月間の利用上限を決めて、それを超える利用はしないと固く決めています。

よくある質問(FAQ)

Q: ファクタリングの利用は、銀行融資の審査に影響しますか?

A: 私の経験では、適切に使っていれば大きな問題にはなりませんでした。
ファクタリングは借金ではないので、信用情報には載らないんです。
ただし、決算書に「売上債権売却損」という勘定科目が載るので、銀行の担当者さんは利用していることを把握できます。

だからこそ、隠すのではなく「資金繰りの選択肢として、機動的に活用しています」と正直に説明することが、逆に信頼につながる場合もありますよ。

Q: 銀行融資とファクタリング、どちらを先に検討すべきですか?

A: 時間に余裕があるなら、まずは銀行融資を検討するのが基本です。
金利が低いですからね。
ただ、建設業のように入金サイクルが長い業種では、最初からファクタリングとの組み合わせを前提に資金計画を立てるのが現実的だと私は思います。

Q: 複数のファクタリング会社を使い分けるメリットは何ですか?

A: ありますね。
私の会社でも、普段使いのメイン業者、大口案件用のサブ業者、緊急用のオンライン業者と3社使い分けています。

1社に依存するリスクを避けられますし、業者ごとに得意な分野や手数料体系が違うので、案件によって最適な会社を選ぶことでコストを抑えられます。

Q: 建設業の経営者が、資金調達で特に気をつけるべき点は何ですか?

A: やはり、工事代金の入金サイトが長いことです。
だからこそ、売上があっても資金がショートする「黒字倒産」のリスクが常にあります。

売上規模だけでなく、手元の現金を常に意識し、入金までの「つなぎ資金」をどう確保するか、銀行融資とファクタリングを組み合わせて常にシミュレーションしておくことが大切です。

Q: 妻(経理担当)にファクタリングの利用を納得してもらうには、どう説明すれば良いですか?

A: これ、一番難しい質問かもしれませんね(笑)。
私も最初は妻に「借金じゃないの?」と心配されました。

大切なのは、「これは借金ではなく、将来入ってくるお金(売掛金)を早く現金にするための手段だ」と説明すること。
そして、「これを使うことで、従業員の給料を遅らせずに済むし、次のチャンスも逃さずに済む」と、会社と従業員を守るための前向きな選択肢だと伝えることだと思います。

まとめ

銀行融資とファクタリング、どちらが良い・悪いということではなく、それぞれの得意分野を理解し、自社の状況に合わせて賢く「組み合わせる」ことが、中小企業の資金繰りを安定させる鍵だと、私は6年間の経験で学びました。

銀行融資という太い「幹」を育てながら、ファクタリングという「血流」をうまく循環させるイメージです。

資金繰りの悩みは、経営者なら誰でも抱えるもの。
一人で抱え込まず、自社に合った最適な方法を見つけて、大切な会社と従業員、そして家族を守っていきましょう。
この記事が、皆さんのヒントになれば、これほど嬉しいことはありません。